ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。

「きゃあぁ! 先輩ー!」


「なんだ!? 女の子がいきなり仰向けに引っくり返ったぞ!」


「そこのキミ、この女の子の知り合いか!? この子は発作でも起こしたのか!?」


「ち、違うんです! バナナが!」


「バナナ!? ノドに詰まったのか!?」


「踏んだんです!」


「はあ!? バナナ踏んだあ!?」


クラクラチカチカする頭の上で、たくさんの顔が集まって大騒ぎしている。


あたしは全身脱力しながら、心の中でぼんやりと海莉に語りかけていた。


ねえ海莉……。


バナナってさ、踏むと本当に滑るんだね……。