って、ダメダメ！　またネガティブ思考が顔を出してきた！


この性格、変えたいな。海莉みたいに明るくて強くて前向きな人間にならなきゃ。


あたしは頭をプルプル振って気分を切り替えながら、頼まれた買い物に行くことにした。


自転車で行こうと思ったけど、外に出てみたら天気がよくて、前髪を撫でるそよ風がすごく気持ちいい。


せっかくだから歩いて行くことにして、スーパーに向かって歩き出した。


見上げる空は梅雨の合間の青空で、最近続いた雨に洗われた空気のせいか、普段よりも日差しが透き通っている気がする。


近所の塀越しに見える色とりどりの花や、家々の窓ガラスが光を弾いて、キラキラして見えて気分が上がった。


一番近くのスーパーで機嫌よく買い物を済ませ、エコバッグに品物を詰めて、店を出る。


そして、大きな通りから静かな住宅街へ入ってすぐの角を曲がりかけた瞬間……。


「……！」


全身が硬直して頭の中が真っ白になった。


ほんの数メートル先に、雄太と田中さんが立っていたから。