だからと言って、『うんそうだね。じゃあちょっくら告白してきまーす』とは、いかないよ。


これまでの自分の行いを顧みると、さすがにハードルが高い。


海莉のおかげで、ネガティブ思考まっしぐらな気持ちからは少し目覚めることができたけど、いざとなるとやっぱり足踏みしちゃう。


告白して断られるシーンがリアルに思い浮かぶし、嫌われたらどうしようとか、もしかしたらすでに嫌われているのかも、とかモヤモヤが尽きない。


もともとあたし、こういう性格だから。生まれついての行動パターンはなかなか手強いんだ。


『あ! 関先輩が来た!』


スマホから聞こえる海莉の声に、一段と緊張がみなぎった。


『やだ瑞樹どうしよう! 本当に先輩が来ちゃった!』


『そりゃ来るよ。約束したんだから』


『うわー、うわー! こっち来るー! ねえ、あたし逃げてもいい!?』


『ダメ!』