ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。

雄太の隣で、泣きながら過ごす時間を望んでいるの?


あたし以外の誰かを好きな雄太の姿を見続けることが、あたしの子どもの頃からの本当の願いだった?


……違うよ。


こんな体が千切れるほどの悲しい思いなんて、望んでいなかった。


あたしの心からの願いは……。


「あたしは、大人になったら雄太のお嫁さんになりたかった。フラワーガールとリングボーイをした日から、ずっと夢みていた」


「だったらその夢、叶えなきゃ」


パッと花が咲くように微笑んだ海莉が、ごく当たり前の口調で言った。


「あたしの関先輩への気持ちはピッカピカの本物だよ。だからもし告白が成功して先輩と恋人同士になれたら、大人になってもずっと離れないで一緒にいる自信あるよ」


「…………」


「あー? その顔は『そんな保証はどこにもない』って思ってるなあ?」


「そ、そんなこと!」


あせってブルブル首を横に振るあたしを見て、海莉は明るく笑い飛ばした。


「いいよ、わかってる。超能力者でもあるまいし、未来のことなんて本当は誰にもわかんないもんね」


「う、ん」


「でもね、瑞樹。未来は常に現在の進行形なんだよ」