ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。

「ごめん海莉。あたし……」


「ううん。もちろん瑞樹の気持ち、ちゃんとわかってるから大丈夫だよ」


あたしの肩をポンポンと叩いて海莉は素直な笑顔を見せた。


「瑞樹の考えだって、現実的に考えて間違ってるわけじゃないと思うもん。でもね、それでもあたしやっぱり関先輩に告白したいと思うんだ」


そして瑞樹の真っ直ぐな目が、あたしの目を至近距離で覗き込む。


「瑞樹はいつも『どうするべきかわからない』って言ってるけど、どう『すべき』じゃなく、どう『したい』?」


「え?」


「どうしたいの? どうありたいと願ってる?」


一点の曇りもない、まるで透き通ったレンズみたいな海莉の瞳に、あたしの目も心も釘付けになった。


どうすべきかじゃなくて、どうしたい? どうありたい?


……あたしは雄太とずっと一緒にいたい。だから幼なじみのままでいるべきだと思っていた。


でもそれが本当に、あたしの望んでいたことなんだろうか?