ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。

もしかしたら、田中さんのこと可愛いって思ってるんじゃないかな?


ひょっとしたら、田中さんのこと少し意識してるんじゃないかな?


そんな思いが頭の片隅に、クモの巣みたいにずっと張り付いてて、払っても払っても粘着して消えてくれない。


こんなこと初めてで、とまどってる。


考えてみれば雄太って、本当に今まで誰からも告白されたことないのかな?


そんなこと一度も雄太から聞いてないけど、あたしに言わなかっただけで、実は何度かあったのかも。


だってあんなに女の子に人気あるんだし、そう考えた方が自然だよね?


「ね、ねえ海莉。雄太ってさ、すごくモテるよね?」


「うん。モテるね」


「あんなにモテるんだからさ、これまでも女の子から告白されたことって、あったりすると思う?」


「うん。てか普通にあったでしょ。何回かそういう噂、あったじゃん」


「え?」


「え?」


目を丸くして驚くあたしに、海莉もバナナをもぐもぐしながら目を丸くして沈黙する。


そして上目づかいになって、恐る恐る切り出した。


「え? 瑞樹本当に知らなかったの? あったよ? これまでも何度か」


「……ええぇー!?」