その手を掴んで、椎名くんは 「莉果。俺は、莉果が好きなんだよ。」 ただ、それだけを言った。 そして、 「莉果、いつまでも柊仁は莉果の悲しい顔を見たくないと思うよ」 そう言いながら、一通の手紙を出した。 そこには、 “莉果ちゃんへ” とだけ書いてあった。 それが、柊仁くんからだとすぐに分かった。 「柊仁の、部屋の掃除に行った。そしたらそれ見つけたんだ。柊仁は、大丈夫だって、言っただろ?」 椎名くんは、笑ってくれた。