あやかし神社へようお参りです。



 それからしばらくは社の裏側、裏の鳥居に近い鎮守の森で遊んでいた。

 鬼ごっこ、かごめかごめ、花いちもんめ、鬼ごっこ、と無尽蔵の体力で走り回る子どもたちに、何とか休憩を聞き入れてもらって倒木に腰掛け休んでいると、ひとりの子供が甘えるようにすり寄ってきた。


 「巫女さま、なんだか気持ち悪いよ」


 妖狐のその子は耳をぺたんとさせて涙目で見上げてくる。慌てて額に手をやると、ほんのりと熱を帯びていた。誘発されたように他の子供たちも同じようなことを訴え始める。


 「眠気が来たのかもしれませんな。帰りましょうか」


 微笑みながらそう言ったケヤキ。
 ひとつ頷くと、ぐずり始める子どもたちをケヤキと分担して宥めながら、社に向かって歩き始めた。