あやかし神社へようお参りです。



 「もしかして……須久木?」


 御神木を見上げながら尋ねる。木は何も言わなかったが、葉っぱが一度上下に揺れて、また動き出した。

 慌ててそれを追いかけてる。本殿の裏に差し掛かって、その葉っぱはゆっくりと地面に落ちていった。


 視線をあげれば、本殿の裏の壁にもたれかかるようにして座り、空を見上げるケヤキの姿があった。

 声をかけたいのに思うように声が出せず、その場でおろおろとしていると、空を見上げていたケヤキがおもむろに口を開いた。


 「────須久木の奴め、またお節介なことを」


 そう言って苦笑いを浮かべた顔で私を見る。