俺の知らない弟の話を聞けたのは、 正直ちょっとうれしかった。 父親から聞くのとは違う弟が、そこにいた。 でもそれがアイツの口からなのが、 どうにも…… ああもう! 悔しかったんだ。 弟のことを「先輩」なんて呼びながら話してるときのアイツの目が、ほっぺたが、唇が。 楽しそうで、だけど切なそうで…… 「好き」って想いがこれでもかってほどに伝わってきたんだ。