今日1日でどれだけ走ったかわからない。


それでもやっぱり立ち止まる事は叶わなかった。


林の抜けて近くの公園へと駆け込む。


土管の中に身を隠して声を殺して、耳をそばだてた。


野犬の声は聞こえてこない。


諦めたのかもしれない。


短く呼吸を繰り返しながら、あたしは噛まれた箇所を確認した。


随分とひどく噛まれたようで血が止まっていない。