1匹ならともかく、3匹もいたら負けてしまうだろう。


あたしはゴクリと唾を飲み込み、3匹の野犬に背を向けた。


その瞬間こちらへ迫って来る気配がする。


あたしは手直にあった棒を握りしめると、野犬へ向けて無我夢中に振り回した。


「どっか行け!」


叫び声を上げて威嚇する。


すると棒の先に確かな手ごたえを感じた。


1匹がキャンッ!と吠えて横倒しに倒れる。


残りの2匹が一瞬ひるんだのがわかった。


あたしはすぐに立ち上がり、残り2匹へ向けて棒を投げつけ、走り出した。