強制食料制度

焦れば焦るほど足はもつれる。


「あっ!」


と叫んだ次の瞬間、あたしはその場にこけてしまっていた。


足元を見ると木の根が張り出しているのが見えた。


あれにつまづいてしまったようだ。


すぐに立ち上がろうとした視界に、3匹の野犬が見えた。


毛を逆立て、牙をむき出しにしてこちらを威嚇している。


グルルッと喉が鳴り、一匹がジャンプしてこちらに迫って来た。


「キャァ!!」


悲鳴を上げるより先に牙が腕に食い込んでいた。