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辿りついた先は林の中だった。


草木に囲まれていれば、冷たい風を少しは防ぐことができる。


あたしは地面に枯れ葉を集めてその上に寝転がった。


仰向けに寝ていると、木々の間から月明かりが差し込んでいるのが見える。


こんなに綺麗な夜空を、こんな風に見ることになるなんて思いもしていなかった。


不意に、また涙が滲んで来た。


手の甲で涙をぬぐい、鼻をすする。


今日だけで随分泣いたように思うけれど、こうしてしっかり泣けた時間はなかったかもしれない。


あたしは声を殺し、いつまでも泣き続けたのだった。