歩きながら涙が滲んだ。


時々スマホの電源を入れて確認してみても、そこにあるのはあたしを非難する言葉ばかり。


「俊和……」


思わず呟いていた。


俊和がいなければ、今頃あたしはあの男の家に監禁されていたかもしれないのだ。


俊和は学校から逃げ出したあたしを、ずっと探してくれていたのかもしれない。


そう思うと胸の奥がギュッと苦しくなった。


俊和なら、助けてくれるかも。


そんな甘い気持ちが浮かんできて、あたしはすぐに思考回路を遮断した。