あたしは慌てて部屋の中を見回した。


隠れるような場所はクローゼットかベッドの下しかない。


そんなところに隠れてもすぐに見つかってしまうだろう。


足音はどんどんこちらへ近づいている。


あたしはベッド横の窓を開けた。


外は真っ暗で寒さに体が震える。


「……っ!」


グッと歯を食いしばり、窓枠に足をかけた。


ごめん良。


ありがとう。


心の中でそう言い、あたしは外へ逃げ出したのだった。