「おはよう俊和」


あたしは少し顔を伏せてそう返事をした。


正面から俊和を見るとどうしても照れてしまうのだ。


「今日すげぇもん見ちゃった」


俊和はあたしの隣の席に座り、興奮気味にそう言った。


「すげぇもん?」


首を傾げて聞き返す。


「あぁ。追い詰められるターゲットを見たんだ」


俊和の言葉にあたしは今朝の光景を思い出していた。


逃げる男を大人数が追いかけていた。