走ってきたのか息が切れている。


「俊和!」


咄嗟に駆け寄ろうとしたけれど、男に静されてしまった。


「誰だお前」


男が俊和へ向けて言う。


「唯香の友達だ」


「友達? そーか、残念だったな。こいつは食料認定されたんだ。お前も知ってるだろ?」


男はニヤニヤとした笑みを浮かべてそう言った。


「知ってる。だけどそれは明日からだ」


「だからどうした? 食料ってもんは予め確保しておくモンだろうがよ!」


男は叫ぶと同時にナイフを振り上げた。