「え……」


「奥山さんのスマホを奪うのには随分と手こずったんだ。抵抗されたからねぇ」


そう言い、男は手に付いた血をペロリと舐めた。


その行動に全身が冷たくなっていく。


まさか……。


「いいよねぇ《強制食料制度》って。家族の情報も出回るからまわりから固めて行けばターゲットを見つける事ができるんだから」


「お父さんは無事なの!?」


「さぁ……? でもさすがに死んでないと思うよ? 殺していいのはターゲットだけなんだし」


そう言い、高らかな笑い声を上げる男。