強制食料制度

この声、お父さんじゃない!


聞き覚えのない声に返事が喉の奥にへばりついていた。


「だ……誰ですか?」


『奥山さんの部下をしている男だよ。それより、そこで待っててねすぐ行くから』


「え……?」


『唯香ちゃん、明日から食料になるんだろ? 奥山さん心配しててさ、俺に迎えに行ってくれって頼んできたんだよ』


「お父さんが……? お父さんはあたしの居場所を知ってるんですか?」


『もちろん。スマホの位置情報で確認したからね』


「あ、あの! お父さんは? どうしてお父さんは来ないんですか!?」


『んん~? それはねぇ……』