強制食料制度

食卓に並んだ質素な料理を思い出す。


肉なんて何カ月も食べていない。


食べられるものなら、あたしだって食べたいと願うだろう。


その気持ちはみんな同じなのだ。


そう……あたしのお母さんだって……。


そう思ったときだった。


突然スマホが震えだして思わず取り落としてしまった。


慌てて拾い上げるとお父さんからの着信だ。


「お父さん……」


電話に出たいと言う気持ちが膨れ上がる。