強制食料制度

写真の下に書かれた個人情報に目を見開き、同時に吐き気を覚えた。


こんなことを堂々とするなんて……!


これじゃ家族まで危険な目に遭ってしまうかもしれない。


ターゲットを逃がさないためのやり方なのかもしれない。


あたしは写真を壁から剥がし、引き裂いた。


どれだけ写真を破いても気持ち悪さは変わらない。


狂ってる。


この国は狂ってるんだ!


引き裂いた写真を踏みつけていると涙が滲んで来た。


今までの平和な日常が崩れて行く音がする。


「あたしが何をしたっていうの……」