ざわめきが増すクラスに、首相が咳払いをした。


しかし、事態が事態なのだ。


今度はそれだけでは静かにならない


「静かに! これはもう決定したことなんだ!」


先生が大きな声を張り上げてそう言った。


その視線は床へと注がれ、生徒の誰とも視線が合わないようにしているのがわかった。


「それでは次のターゲットを発表します」


首相の静かな声によって、ざわめきは消えた。


「明日、×月△日の正午よりターゲットになるのは……」


さっきのざわめきが嘘のようにクラス中が静かだった。


みんな息さえ止めているように感じられる。