俊和があたしの頭に手を置いたままでそう言った。


肯定したいのに、知られたくなくて黙り込んでしまう。


「最初から和文を殺すつもりなら、もっと計画的にやれるはずだ。自分の服を置きっぱなしにして逃げるなんてありえない」


俊和の言葉にあたしは何度も頷いた。


大丈夫。


何も言わなくても俊和はあたしを理解してくれている。


その安堵感から、また涙があふれたのだった。