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良は家に着くまでの間、人気のない道を選んで歩いてくれた。


路地裏には秩序を無くしてしまったようにゴミが散乱し、行き場を無くした大人たちが彷徨い歩いていた。


ほんの数日でここまで激変してしまう世界に寒気を感じる。


「入って」


良に言われてあたしは屋敷に足を踏み入れていた。


「家の中で大丈夫なの?」


「小屋は電気も水道もガスも止まってる。生活することができないからな」


「そうなんだ……」


「家には自家発電があるから電気は通ってるんだ。ただ、それも政府に取られるらしいけどな」


そう言いながら、良は広い階段を上がって行く。