死体を運んでいくなんてできっこない。


あたしは自分の身を守るべきだ。


そう思いながらも、あたしは元子の死体のそばに膝をついていた。


人間は美味しい。


本当だろうか?


自分の喉がゴクリと鳴った。


試に元子の血を指先で拭ってみた。


ヌルリとしていて、まだ暖かい。


あたしと元子は同じ人間だ。


人間は食料になる。


そう思うと、途端に空腹感が湧いて来た。