強制食料制度

☆☆☆

辺りは静寂に包まれていた。


バッドの痛みは襲ってこない。


恐怖でキツク閉じていた目をそっと開いてみると、そこには横倒しに倒れた元子がいた。


一体なにが起きたんだろう?


周囲を見回してみても、あたし以外に人はいない。


「元子……?」


そっと近づいてその顔を確認する。


カッと見開かれた目に、パックリ割れた額。


それを見た瞬間思い出した。


そうだ。


元子がバッドを振り下ろす寸前で、もう1つ持っていた石を投げたんだ。


それが額を直撃したらしい。