強制食料制度

体のバランスを崩しながらもどうにか走り出す。


どこでもいい。


とにかく2人から逃げ切ることができればそれで……。


「くそったれ!!」


そんな怒号と共に後頭部に激しい痛みが走った。


張り裂けんばかりの痛みにうめき声を上げて膝をつく。


「ナメんなよ!」


後ろを振り向くと木製のバッドを持った元子が仁王立ちをしていた。


河川敷に落ちていたバッドを拾ったのだろう。


それにはあたしの血がついていた。


「来るな!」


悲鳴に近い声をあげて後ずさりをするが、殴られた衝撃で頭がクラクラして思うように動けない。