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舞奈ちゃんがお母さんと食べたということは、桃菜だって食べているはずだった。


「どうして……」


口に手を当てて舞奈ちゃんを見つめる。


「お母さんが、食べていいって言ったから」


子供の飢えをしのがせるため?


だから、桃菜の母親は自分から犠牲になったっていうの?


子供を思う一心で自分から食料となった母の姿が脳裏に浮かんできた。


「他の人に食べられるくらいならって、言ってた」


舞奈ちゃんがたどたどしく説明する。


あたしは思わず舞奈ちゃんの体を抱きしめていた。


痛々しくて見ていられない。