強制食料制度

だから一気に機能しなくなってしまったのだ。


あたしは下唇を噛んでスマホを投げ出した。


「大丈夫だよ。電話や電気がなくても水はあるんだから。それに、カセットコンロで火も使えるし。ね? 心配ないよ」


説明しながらどんどん早口になっていたことに気が付いた。


これは舞奈ちゃんへ向けて言っているんじゃない。


自分へ向けて言いっている言葉だった。


「よくわかんないけど、お腹が減った……」


どうしよう。


なにか食べさせてあげたいけれど、食べ物は持っていない。