強制食料制度

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桃菜の家には妹の舞奈ちゃんと、お父さんがいた。


2人ともあたしのことを快く受け入れてくれて、このまま数日間は泊まってもいいと言ってくれた。


みんなの気持ちは嬉しかったけれど、何日もここにいて居場所がバレるわけにはいかない。


今日でも明日でもいいから、できるだけ早く出て行くつもりだった。


「じゃあ、あたしは学校に行ってくるね」


「うん。お昼までなんでしょ?」


「うん」


桃菜の表情が一瞬曇る。


しかし次の瞬間にはいつもの笑顔を浮かべて、玄関をでていったのだった。