強制食料制度

☆☆☆

「唯香……唯香!」


あたしを呼ぶ声が聞こえてきてあたしは目を開けた。


どこからか太陽の光が差し込んでいて、暖かさを感じる。


瞬きを繰り返すと、横に見慣れた顔があることに気が付いた。


「え……桃菜?」


「唯香、よかった気が付いて!」


桃菜はそう言い、安堵したようにほほ笑んだ。


上半身を起こして部屋の中を確認すると、ここが桃菜の部屋であることがわかった。


「あたし、どうしてこんなところにいるの?」


そう聞いてから、冷たい川の中に身を投げたことを思い出した。