「食料を袋に入れて」


あたしはカッターを突き出したままそう言った。


「何言ってんだ! あれは俺の食料だ!」


「殺されたいの!?」


カッターの刃を和文の目前まで突き出した。


恐怖で自分の体が震えているのがわかる。


でも、もう引く事はできなかった。


和文はあたしを睨み付けたまま、キッチンへと移動した。


買い物袋を広げその中に即席の食べ物を詰めて行く。


「唯香、お前は俺を敵に回したことを後悔するぞ」


そうかもしれない。