「これでいいだろ?」


確かにデータは消えたみたいだ。


「ほら、カッターを置けよ」


そう言われてもあたしはカッターナイフを握りしめたまま動かなかった。


ジッと和文を見つめる。


ここにはあたしと和文の2人しかいない。


大きな家で、声を上げても外までは聞こえない。


キッチンには大量の食糧……。


そんな条件が頭の中を駆け巡った。