強制食料制度

それは本当に楽し気な笑みで、背中に寒気が走った。


「なにが言いたいの?」


「俺は唯香に居場所と食料を提供する。ここにいれば安全だ」


そう言い、和文はあたしの耳元に顔を近づけた。


「その代わりに……」


そこで言葉を区切ったかと思えば、次の瞬間唇が塞がれていた。


暖かな感触が伝わって来る。


思わず身をよじって逃れようとするが、組み敷かれた状態では簡単に逃れることもできなかった。


「あたしをオモチャにしようって思ってるの?」


心臓が早鐘を打つが、悟られないように和文を睨みつけてそう言った。


「良い考えだろ? これでお互いさまだ」