あたしは今、国民全員から恨まれていることだろう。


「今は国が動物を捕獲して食べてるくせに」


自分たちがやっていることを棚に上げて、全面的にあたしを悪者にするつもりだ。


その方が罪悪感が薄れるからだろう。


どうにか反論したいけれど、テレビ相手じゃどうにもならない。


悔しさに歯噛みした、その時だった。


気が付けばあたしは和文の体の下にいた。


自分が組み敷かれた状態にいると気がつくまで、少し時間が必要だった。


「どうしたの?」


あたしを見下ろす和文に聞く。


「唯香は今絶体絶命だ」


そんなこと言われなくてもわかってる。