強制食料制度

和文の言葉にあたしは驚いて学校を見上げた。


そういえばさっきから生徒たちの話し声が鳴りやまない。


休み時間に入ったのではなく、すでに放課後になっているからなのだろう。


「どうして?」


「先生も生徒もロクに食べてないからだ。そんな状態じゃ授業にならないだろ」


思えば当然のことだった。


今までよく学校として機能していたと感心するほどだ。


「あたし、行かなきゃ」


みんなが出て来る前にここから逃げないと。


「行くあてはあるのか?」


そう聞かれて、今度はあたしが黙り込んでいた。