頭では理解していても、恐怖が全身を包み込んでいた。


相手は生徒たちだけじゃない。


いつ、どこから襲いかかられるかわからないのだ。


そう考えると、もうその場にとどまっておくことはできなかった。


どこか、洞窟のような場所はないだろうか。


人が入って来ないようなところならしばらくは安心だろう。


そう考えて腰を浮かせる。


緊張と恐怖から寒さは感じなくなっていた。


足早に林を抜けて校舎裏の路地を歩く。


山の中へ入ってしまえば誰にも会わずに済むだろう。