うそつきペン

どうにか立ち上がって数歩歩いてみるけれど、足首を変な方向へひねってしまったようで歩くのも難しい。


「あたし、ここでリタイアする。だから先に行って」


そう言うと、ツグミは悲しそうに眉を下げた。


最後まであたしと一緒に走りたかったのだろう。


だけど、もう走ることはできない。


申し訳ない気持ちで胸の中が一杯になっていく。


「心配しないで。休憩地点に行けば先生もいるんだから」


「……わかった。じゃあ先に行くね」


そう言うツグミを見送って、あたしは大きくため息を吐き出したのだった。