うそつきペン

そう答えるツグミはまだまだ余裕がありそうだ。


あたしに合わせてゆっくり走る事で、無駄に体力を使ってほしくない。


「だけど、あたし遅いから」


「そんなの最初から知ってる」


ツグミはそう言って明るい声で笑った。


あたしも笑いたかったけれど、もうそんな余裕はなかった。


息が切れて胸が苦しい。


スピードも全然上がらなくて、みんなとどんどん離されて行く。


「2人とも遅いよー?」


あたしを気にかけてくれている春子が振り返り、そう声をかけてきた。