うそつきペン

気持ばかりが焦って、足は全然前に進んで行かない。


「アユリ、大丈夫?」


ツグミが全然息のあがっていない、余裕そうな声でそう聞いてくる。


「うん……大丈夫」


あたしの声はすでにカラカラだ。


まだ10分しか経ってないのに。


「無理しなくていいよ? 少し歩く?」


「まだ大丈夫だから」