うそつきペン

先生たちのコース説明をぼんやりと聞いていると、隣のクラスのツグミが列を離れて近づいて来た。


「今日一緒に走ろうよ」


小声でそう声をかけてくるツグミ。


「え、クラスバラバラで走ってもいいの?」


「大丈夫大丈夫。走りはじめたらすぐにバラバラになるって、先輩から聞いたから」


そう言うツグミは嬉しそうに笑う。


ツグミと2人で走れるのなら大丈夫な気がしてきた。


自然と頬が緩む。


「途中で家に帰っちゃう人とかいるのかなぁ」


昨日聞いた話を思い出してあたしは呟く。