「だけどさ、どんくさくても今みたいに自分の意見をハッキリ言えてれば、みんなとも打ち解けられると思うから」


そう言われてあたしはようやく、春子があたしのことを気にしてくれているのだと気が付いた。


クラスに馴染めないままのあたしを、ちゃんと見てくれていたのだ。


毎日のように注意してくる春子は、きっとあたしのことが嫌いなのだと思い込んでしまっていた。


だけど、それは勘違いだったようだ。


「ありがとう春子」


あたしがそう言うと、春子は照れ笑いを浮かべて自分の席へと戻って行ったのだった。