うそつきペン

夕子は茶髪のロングヘアーで、あたしはショートだから間違えるハズがない。


「ちょっとした間違いくらい、誰でもあることでしょ」


春子はそう言いながら黒板の落書きを消して行く。


「あ、あのさ」


あたしは春子の隣に立って一緒に落書きを消しながら、声をかけた。


「なに?」


「昨日の放課後掃除ってなかったよね?」
「そうだよ? だけど夕子ったら先生の話を聞いてなくて、掃除をはじめちゃったんだよね」


春子は呆れた口調でそう言った。