あの日、隆二が捨てたペンだった。


隆二は思いっきり遠くへ投げていたけれど、友里恵と2人で探せば2時間ほどで見つける事ができたのだ。


そして、このペンを持った瞬間にすべての出来事を理解した。


あたしは指先でペンをクルクルと回して教室内を見つめた。


「とりあえず、隆二はあたしのものだから」


あたしがそう言うと、友里恵は笑って「もちろん、取る気はないよ」と、答えた。


その返事に満足するあたし。


アユリも夕子もこのペンを1人で利用していた。


でも、あたしは友里恵と2人で共同して利用することに決めたのだ。