放課後になると隣のクラスのツグミがあたしを待ってくれている。


ツグミは一旦はあたしを落とし入れようとしたけれど、それは夕子に脅されて仕方なくやったことだったようだ。


ツグミの怪我もよくなり、もう松葉づえも使っていない。


なにか大きな出来事を忘れている気がするけれど、それも今ではもう気にならなくなっていた。


人生は1度きり。


やり直しなんてできない。


だから忘れて閉まった出来事よりも、今を大切にしようと、そう思えていたのだった。