あたしは商店街を出て足早に学校へと向かっていた。


あんな状況から逃げ出した教室に戻るなんて、きっと気まずい思いをするだろう。


クラス中から批判を浴びるかもしれない。


だけどそれ以上に大事なことがあった。


夕子からペンを取り返すのだ。


そのペンがどうしてそれほどまで大切なのか、あたしにもわからない。


でも行かなきゃいけない。


あたしにはどうしてもあのペンが必要なのだ。