今のあたしにとってはどこにいても灰色の闇に包まれているようなものだった。


ため息を吐きつつ、あたしは雑貨店へと足を進めた。


昔喫茶店だった建物をそのまま利用しているため、レトロで可愛らしい雰囲気がある。


カランコロンとベルを鳴らして店内へ足を踏み入れると、女性が顔を覗かせてくれた。


「あら、今日はもう学校は終わり?」


「いえ……」


あたしは小さな声でそう返事をして、店内の商品を見つめる。


お店の雰囲気に合わせてレトロなデザインの文具が多く取り揃えられている。


ここに来れば少しは気持ちが変わるかもしれないと思ったけれど、あたしの気持ちは沈んだままだった。


「どうしたの? 暗い顔をしてるけど」


そう質問されると、途端に胸の奥がジンッと熱くなり、あたしは目頭を押さえた。


「ちょっと、大丈夫?」