「ノート……?」


あたしは首をかしげてそう聞き返した。


「そうだよ。持ってるんでしょ?」


夕子はなんのことを言ってるんだろう?


授業で使うノートのことではなさそうだし……。


そう思って首を傾げる。


「記憶が全部消えるって言うのも面倒だね。いいや、そこどいて」


夕子がそう言い、あたしの体を押す。


あたしは椅子から転げるようにして立ち上がった。