「それってさ、ツグミがこの後あの男になにかされるかもしれないってことだよね?」


強い口調でそう言うと夕子はさすがにたじろいたようだ。


「それはそうだけどさ……」


「ツグミは怪我して簡単には逃げれないし、今あの男が来たらどうなると思うの?」


それは自分自身の言葉だった。


うそつきペンがなければ、あたしはまだ足を怪我したままで、あの男にも怯えていたことだろう。


「まぁまぁ、そんなに怒らないでよ」


途端に夕子が含み笑いを浮かべてそう言った。


あたしはその変化に眉を寄せる。